システム開発の目的と概要
システム開発にあたっては、システムの導入を行う目的をしっかりと考えておく必要があります。
システム開発会社や経営コンサルタントに言われるがままに、なんとなくシステムを開発したものの、なんか効果があったのか、なかったのかも良く分からない。効果が分からないのに社員さんの作業だけは増えたなんてことにならないように、システムを導入する目的を明確にする必要があります。
もちろんシステム開発を行う目的は会社ごとにそれぞれことなるのですが、それでも目的をいくつかのパターンに分けることが出来ます。ここではいくつかの代表的なパターンについて説明します。
情報の一元管理を目的としたシステム(作業品質の向上)
企業の中には様々なデータが存在しています。これらの情報は、最初はエクセルなどで個人のファイルで管理されていることがあります。
このような状況から企業や事業が成長していき、管理するデータ量が増えたり、管理する人が増えたりすると、個人ファイルでの管理では限界を迎えます。
ファイルの受け渡しでミスが起きたり、古いデータを最新のデータだと思い込んでしまうようなミスも発生してきます。
このよな場合には、データの一元管理を目的としてシステムを導入することで、作業ミスが減ったり、作業が効率的に行われるような環境を作ることが可能になります。
人が行う作業をシステムに行わせることにより、社員はより付加価値の高い作業をすることを目的としたシステム(コスト削減)
製造業における製造プロセスの管理や品質管理、小売業における商品や在庫の管理の中で、人が行っている作業のうちシステム化出来るものについてシステム化するものです。
もちろん人が確認しなければいけない作業はあるのですが、システムに置き換えることが出来る作業もたくさんあります。特に数字に関するものはシステム化すると良いことが多いです。
このようにして人間が行っている作業をシステムに行わせることによって、人件費としてのコストを削減することが可能になります。
自社の商品をインターネット上で販売することを目的としたシステム(販売経路の拡大)
ホームページ制作ページで説明したような、楽天などのネットショップを利用するのではなく、自社独自の機能を持ったネットショップのシステム開発を行うケースです。
他社では行っていないような機能を追加したネットショップや、社内の他システムとの連携が容易に行えたりするメリットも出てきます。
自社の強みを作り出したり、発揮できるような販売経路の拡大を可能にします。
経営する上で必要な情報を収集・分析することを目的としたシステム(売上・利益の増大)
顧客の情報や競合他社・業界の情報、自社製品の販売状況、利益などの情報を使って経営戦略を立案するための情報を分析します。
この中でも顧客の情報というのは戦略策定上非常に重要なもので、この情報と他の情報を見比べながら意思決定することが非常に重要なことになります。
このようにして情報をシステムに蓄積し、集計したり分析したりすることが競合他社との差別化を図り、市場での優位性を確立し、売上・利益の確保や増大に寄与することになります。
直接顧客にシステムを利用してもらうことで、顧客の利便性を向上することを目的としたシステム(顧客満足度の向上)
企業の中の作業においては、繰り返し同じ作業を定期的に行うようなものも少なくありません。たとえば、メールや電話で受け取った注文書に対し在庫確認を行ったりするような作業がこれにあたります。
メールを見るのも人間なら、在庫確認のオペレーションを行うのも人間で、人間の行う作業にはミスがつきものであり、人の作業時間が拘束されるうえに、ミスも発生することがあります。
電話での注文などの場合、ミスによって商品を間違えたり、数量を間違えてしまったりすれば、時間もかかりますし、お客様の信頼も低下してしまいます。
仮にそのミスがお客様の勘違いなどによるものだったとしても、そのようなミスが発生しないようになっていることが望まれます。
このような場合には、お客様に直接在庫を確認してもらえるようなシステムを開発することで、ミスなくお客様の利便性をあげるようなことが可能になります。
このようなシステムを導入することによって、顧客からの満足度や信頼度が上がるだけではなく、コスト削減の効果も期待出来ます。
社内のコミュニケーションを促進することを目的としたシステム(組織力の強化)
企業活動においては、業務プロセスのような社内の仕組みが重要なのは言うまでもありませんが、実際にその仕組みでものを動かすのは人です。
昨今では、オフィスでの打ち合わせ以外にも、スマホやタブレットなどで、同じ場所にいなくてもコミュニケーションをとることが容易になってきました。
迅速で頻繁に行うコミュニケーションは、チームとしての組織力を強化し、さらに洗練された組織の仕組みを作り上げ、他社との差別化につながることを可能にします。